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EVsmartブログ電気自動車や急速充電器を快適に 大雪の高速道路で立ち往生〜電気自動車は大丈夫なのか? という不安を考える 人気記事 最近の投稿 カテゴリー

NEXCO中日本などがEVへの充電車を配備

2021〜2022シーズンの冬、まずはクリスマス寒波で日本海側に記録的豪雪が降りました。年末年始にも再び寒波が来るということなので、クルマで帰省を予定している方など、ご注意ください。

大雪といえば、昨シーズンには北陸自動車道や関越自動車道などの高速道路で大規模な滞留(立ち往生)が発生して大きなニュースになりました。NEXCO各社では大雪の予報が発表された場合、「3日前から不要不急の外出の自粛や広域迂回の呼びかけを、1日前からは通行止め区間、日時、迂回経路などの情報提供を緊急テレビCM、WEBサイトやSNSなど多様な広報媒体を活用し、繰り返し実施」すること、さらに「高速道路と並行する国道などの同時通行止めを含む計画的・予防的な通行規制を実施」するなど、立ち往生を発生させない対策を強化することを表明しています。

NEXCO中日本のニュースリリースによると、新たに「大雪による滞留が発生した際の備えとして、ガソリン車への燃料補給に加え、EV車への充電対応など」を行うための装備を事前に準備。「EV車に向けた可搬式充電器(28台)や電気自動車用急速充電車(1台)を配備」することを発表しています。まずは、この装備について調べてみました。

正月休み直前、NEXCO中日本に問い合わせてわかったこと。まず「電気自動車用急速充電車」というのは、京都の特殊車両開発会社であるモビリティプラスが保有している『Q電丸』でした。小型トラックに発電器と大容量リチウムイオン電池、最大出力50kWのチャデモ急速充電器を搭載しています。EVレースのサーキットなどに出張してくれていることも多いので、長年のEVユーザーの方であれば「ああ、アレね」と思い当たることでしょう。

NEXCO中日本の1台は、石川県の金沢西インターにある金沢保全・サービスセンターに配備されているとのこと。モビリティプラスに確認すると、NEXCO東日本にも1台貸し出していて、新潟県長岡市の「ネクスコ・メンテナンス新潟にお届けした」そうです。今日はすでにNEXCO東日本が正月休みのようで、ほんとに配備してるのか未確認ではありますが。2台とも「12月から3月上旬までのレンタル」となっているとのこと。

もうひとつの「可搬式充電器」とはどんなものなのか。可搬式のEV充電器といえば、以前の記事で紹介したベルエナジーの『ROADIE(ローディー)』くらいしか思い当たらなかったのですが……。NEXCO中日本に問い合わせて送られてきた画像はコレでした。

詳細な機種名などの確認には時間がかかるということで、ボディのロゴを頼りにググってみると、EcoFlow Technology(エコフローテクノロジー)というメーカーの『DELTA Max』というポータブル電源のようです。要するに、持ち運びできるリチウムイオン電池&コンセント、ですね。エコフローのカタログサイトを見ると、容量は約1.6kWhと約2.2kWhのモデルがあり、2.2kWhモデルの容量は約6kWhまで拡張可能とのこと。

EVの普通充電は200V仕様が多いので「200Vで出力できるポータブル電源なんだ」と思いつつスペックを確認してみると。なんと、ACポート(コンセント)は100Vにしか対応していないようです。写真を見るとコンセントにはアース用の穴もあるようなので、アース付きの100V用コンセントがあればなんとか充電できるのかも知れないですけど……。このままじゃ充電できないのでは? と質問をメールしたのですが、正月休みでまだ回答は来ていません。

配備したのが28台というのは、NEXCO中日本管内にある保全・サービスセンターなど28カ所の拠点に各1台ずつ置いてあるということです。

ともあれ、「電気自動車用急速充電車」も「可搬式充電器」も、あくまでも大雪などによる非常時のための備えです。日常的な電欠レスキューを行うわけではありません。EV普及に向けた社会の備えとしては、今後も試行錯誤を重ねながら最善の機器や方法が選ばれていくことになるのでしょう。

大雪の立ち往生でEVは危険なのか?

さて、大雪による立ち往生。EVで閉じ込められると、すぐに電池がなくなって凍死の危機に見舞われるのか。結論から言ってしまうと、そんなことはありません。

簡単な計算をしておきましょう。燃費や電費は車種などで違うわけですが、たとえば、一般財団法人省エネルギーセンターのデータによると、2000ccクラスの乗用車がアイドリング時に消費するガソリンは10分間で250cc程度(DレンジでエアコンON)とされています。つまり、1時間で1.5ℓ。タンクに30ℓのガソリンが残っていたとして、約20時間でガス欠になる計算です。

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日産リーフをはじめとする市販電気自動車のエアコンは、ヒートポンプ式の暖房システムを採用しています。従来の電気ストーブのようなPTCヒーターと比べると、ヒートポンプ式は大幅に消費電力を節約できるとされています。実際の消費電力は外気温や設定温度によって変わりますが、仮にエアコンの消費電力が800W、バッテリー残量が20kWhの場合、25時間後にはエアコンを使っているだけで電欠になってしまうことになります。

端的に言って、エンジン車だろうがEVだろうが、閉じ込められたら丸一日くらいで車両のエネルギーはピンチ! ということです。つまり、電気自動車だから危険といった話に、合理的な根拠はありません。エンジンの排熱で暖房がよく効くエンジン車の感覚で「EVはヤバイ」と感じるのでしょうが、エンジン車には大雪でマスラーからの排気が滞ると一酸化炭素中毒のリスクがあります。天変を前に「エンジン車が」とか「EVが!」という議論には、あまり意味がないと感じます。

JAFが実験検証してました

実際、電気自動車でエアコンフル稼働状態だと、どのくらい電池がもつものか。自分で試してみるしかないかなぁと思っていたら、JAFが実験検証をやってくれていました。『まさかの大雪で立ち往生!備えはできている? 電気自動車での安全な防寒対策を検証』に結果などがレポートされていて、動画も公開されていたので貼っておきます。『資料編』にはテスト条件や結果がまとめられています。

いくつかポイントをチェックしておきましょう。実験は4台の日産リーフで実施。開始時の電池残量は70%です。40kWhモデルなのか62kWhのe+なのか説明はないですが、動画や写真を見る限り40kWhモデルのようなので、約28kWhの電池残量だったと思われます。

暖房の使用条件は、以下の4パターンを設定。

テスト車①:オートエアコン25℃常時稼働テスト車②:電気毛布(電源ソケット使用)のみテスト車③:シートヒーターをHi、足元に電気フットヒーター(電源ソケット使用)テスト車④:毛布、寒く感じたときにエアコンON、寒くなくなったらエアコンOFF

結果をグラフにまとめてくれてあります。

EVで大雪ドライブにおける注意点

結果について少し解説しながら、電気自動車で大雪が予想される地域へ出かける際の注意点をまとめておきます。

まず、実験時の外気温はー8.1℃で、オートエアコンは25℃に設定していたとのこと。温度差は実に30℃以上です。ヒートポンプとはいえ、電気で熱を生み出すには大きなエネルギーを消費します。実験結果でもおおむね10時間弱で残量10%になって実験終了とあるように、概算するとエアコンで2.5kW近くの電力を消費していたことになります。車内に長時間閉じ込められそうな状況でエアコンを使う際には、設定温度は控えめにするのがオススメです。

日産リーフをはじめとする電気自動車の多くは、エアコンよりも消費電力が大幅に少ないシートヒーターやステアリングヒーターを備えています。身体が冷え切ってしまわないよう、上手に活用しましょう。

そもそも、大雪が予想される地域へドライブするのであれば、安全対策の備えをしておくのは当然のことです。

●タイヤチェーン●厚手のコートなど防寒着●手袋●長靴など●スコップ●ブースターケーブル●毛布やカイロなどの防寒アイテム●食べ物や飲み物●スマホなどの充電アイテム

ざっとリストアップするとこんなところでしょうか。あとは、簡易トイレもあると安心ですね。そして、この必要な「備え」は、エンジン車でもEVでも同じです。ひとつ、暖房が弱点(電気から熱への変換効率は決してよくない)であるEVの場合には、普通の毛布だけでなく、シガーライターソケットから電源が取れるものやUSBタイプの電気毛布があるとさらに安心です。通販サイトなどで2000円程度からいろんな製品があるので、同乗する人数分用意しておくといいですね。

USBタイプの電気毛布の場合、電源は5V2A対応のものが多いので、車載のUSBポートや所有しているアダプタで使えるかどうか、あらかじめ確認しておくのがベターです。同乗者人数分のポート(アダプタ)が使えることも確認しておきましょう。

初期のリーフなど、PTCヒーターを採用している車種では、エアコンの消費電力がより大きくなることも忘れてはいけません。大雪に限らず厳寒期のドライブで、エンジン車に比べてEVでは「寒さ対策」の工夫がより大切になるのはホントです。それを「我慢」と捉えるか、今までとの「違い」として楽しむか。個人的には、どうせなら、工夫を楽しむカーライフを送りたいと思っています。

(文/寄本 好則)※冒頭写真はJAFの検証記事より引用。