スマホで歌ってコラボ&シェアする「na...

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スマホで歌ってコラボ&シェアする「nana」。人気の理由と技術の裏側

スマホだけで「We Are The World」実現へ

――まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのnanaですが、そもそも始めたキッカケというのはどういうことだったのですか?

文原氏

文原:昔から歌うことが好きで、シンガーではスティービー・ワンダーが大好き。いつか彼のように歌えるようになるのが目標でした。別にプロとしてライブハウスに出ていた、というわけじゃないんですが、ポップスというよりもジャスの歌手なんかになれたらいいなと思っていました。

――なるほど、いまのnanaを見ると、まさにそれを実現できるシステムになってますよね。そのように思いついてから、どうしたんですか?

文原:自分はエンジニアでもないし、デザイナーでもない。だったら、作れる人を集めようと思って、TwitterなどのSNSで発信していったんですよ。僕は神戸出身なんですが、神戸では、なかなかそうした人を見つけることができず、2011年のゴールデンウィークに東京のTwitter友達を頼って泊りにきたのです。そこで銭湯を探そうとTwitterで呼びかけたところ、リプライしてくれたのがエンジニアだったので、それからすぐに会って話をしたんですよ。盛り上がって5~6時間、話をして面白いといってくれたのが、ウチのCTOである辻川なんですよ。

辻川氏

辻川:最初は何を言っているのか、さっぱりわからなくて、5分で「分かった、分かった」と話しを終わらせたんですが、その後、延々と文原が熱く語っていたんですよね(笑)。私も長い間フリーでエンジニアをしていて、昔はMacの音楽プレーヤーを作ったこともあったし、着うた/着メロの携帯サイトのサーバー側のシステムを作ったりしていました。その当時、自分でも音楽系のサービスをやってみたいなと考えていたんです。

スマホで歌ってコラボ&シェアする「nana」。人気の理由と技術の裏側

――このお二人の出会いがまさにnana musicのスタートでもあるわけですね。

文原:そうですね。ただ、辻川もiPhoneアプリの経験はなかったし、デザイナーもいないので、さらにSNSなどを使いながら人集めをしていきました。これによって、デザイナーとiOSアプリケーションの開発エンジニアを集めることができ、その4人でスタートしました。まあ、当初はみんな持ち出しで、別に仕事を持ちながらやっていましたが、2011年の7月ごろにはペーパーモックができ、少しずつ開発を進めていきました。さらには2011年11月に孫泰蔵さんが代表を務めるファンドから出資を受けることが決まり、みんなここに集中して開発するようになり、翌年の春には、なんとなく動くようになってきました。

――nanaは、投稿されている楽曲に対して「コラボ」ボタンを押すと、ハモりを録音するなど、多重録音ができるようになってますよね。ここが最大の肝だと思いますが、タイミングなど、かなりシビアな開発が要求されると思います。その辺は難なく進んだのですか?

コラボボタンを押すと、重ねて録音することができるレコーディング画面

辻川:実は、まさにその辺が当初大変で、暗礁に乗り上げそうになっていました。が、やはりTwitter経由で知り合った女性エンジニアが簡単に作ってくれて、それでシステムとして動くようになってきたんです。

文原:初期バージョンでは、より気持ちよく歌えるようにするために、歌った声に対してリバーブをかけてモニターするようにしていたんですが、この辺のレイテンシーの調整に苦労しましたね。結局、今はモニターにリバーブを返す機能はやめたのですが……。

――そしてnanaは2012年8月に正式にサービスをスタートさせたんですよね。

文原:ものすごい期待をもってサービススタートさせ、最初は技術系のメディアに取り上げられて、多少広まったのですが、その後は毎日10~20ダウンロード程度と、鳴かず飛ばず。新規投稿数も、全員分すぐに見れちゃう程度と足踏みしていました。ただ、初期に加入してくれたユーザーさんからは熱い思いも感じていました。「このサービスは本当にいい」、「ぜひ、ずっと続けて欲しいけれど、マネタイズはどうするんだ」なんて心配してくれる方がいたり、熱い思いから、ウチのWebエンジニアとして入ってくれる人もいたりして、明確に刺さっていることは実感できたし、自分たちの考えは間違っていないと確信はできました。

nanaフェスというリアルイベントを開催nanaのユーザー層