自家用レベル4計画が明らかに!2022年...

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自家用レベル4計画が明らかに!2022年1月の自動運転ラボ10大ニュース

幕を開けたばかりの2022年だが、自動運転業界では早々にビッグニュースが飛び交っている。海外では、ボルボ・カーズがレベル3の販売計画を明らかにしたほか、モービルアイは自家用向けレベル4車両の開発計画を発表した。

国内では、国会を舞台にレベル4移動サービスや自動走行ロボット実現に向けた取り組みが大きく進展しそうだ。

以下、2022年1月の10大ニュースを1つずつ紹介していく。

記事の目次

■中国系TuSimple、公道で自動運転トラックの「完全無人」運用に成功(2022年1月2日付)

自動運転トラックの開発を手掛けるTuSimpleが、米国内の公道で自動運転トラックの完全無人オペレーションに成功したようだ。

同社が公開した動画によると、2021年12月、アリゾナ州ツーソンの鉄道ヤードをスタートし、一般道路や高速道路を80マイル(約130キロメートル)以上に渡り運転席無人による運転に成功した。動画は約83分のノーカット版で、高速道路への合流や車線変更を伴う追い越し、路肩のパトカーを検出する様子などが映し出されている。

同社は輸送可能な経路となる輸送ネットワーク「TuSimple Autonomous Freight Network (AFN)」を徐々に拡大していく計画で、アリゾナ州フェニックスを起点に数年以内に北米を網羅する予定だ。

自動運転のリアルな技術を目にすることができる貴重な動画となっているため、ぜひ一度目を通していただきたい。動画は記事の中でリンクされている。

▼TuSimple公式サイト https://www.tusimple.com/

【参考】詳しくは「中国系TuSimple、公道で自動運転トラックの「完全無人」運用に成功」を参照。

■ホリエモンが取締役の配送ロボ企業、2026年のバイアウトを予定(2022年1月4日付)

堀江貴文氏が取締役を務めるHakobotが、事業を本格化させたようだ。2021年12月に株式投資型クラウドファンディングに着手し、2023年に自動配送ロボットの販売を実現する計画だ。募集はすでに終了しており、目標金額3,633万円に対し約6,653万円が寄せられている。

同社が開発を進める配送ロボットは、ロボット下部の走行ユニット「Hakobase」と上部の荷室ユニットで構成される。上部ユニットをカスタマイズすることでさまざまな用途に活用できそうだ。

今後、屋外実証などを重ね2023年内の正式販売を目指し、2026年にバイアウトを予定している。同年には400台以上のロボットを販売し、売上高27億円を想定している。

日本でも自動配送ロボットの実証環境が着々と整備され、2022年には法改正などの動きも出る見込みだ。開発企業も増加傾向にあり、今後各社がどのような事業戦略を展開していくのか注目だ。

【参考】詳しくは「ホリエモンが取締役の配送ロボ企業、2026年のバイアウトを予定」を参照。

■利用率10%割れ寸前 テスラの自動運転ソフト「FSD」、オーナー調査で判明(2022年1月5日付)

テスラの有料ソフトウェア「FSD(Full Self-Driving)」の搭載率は、1割強にとどまっているようだ。現在のシステムとは前提が異なる2019年に46%に達したのを頂点に右肩下がりが続いているのだ。

FSDは、ソフトウェアアップデートを重ねて将来自動運転を実現する――との触れ込みで商用化されているオプションで、現状はあくまでADASだ。価格は1万2,000ドル(約130万円)と高額なため、現在提供されている機能と費用を比較すると、購入に二の足を踏むオーナーが多いのだろう。

導入しやすいサブスクも展開しているが、利用率向上にはやはり目を引く新機能が必須となる。イーロン・マスク氏の信念に反するかもしれないが、走行エリアを区切る形でレベル3機能を実装すれば、潮目が大きく変わる可能性がある。

逆に、レベル3が提供される場合、テスラオーナーはFSD料金をいくらまで許容するのか。こういったアンケート結果があると面白そうだ。

【参考】詳しくは「利用率10%割れ寸前 テスラの自動運転ソフト「FSD」、オーナー調査で判明」を参照。

■自動運転、2022年は世界で「レベル4」の法整備加速(2022年1月6日付)

レベル4に対応した道路交通法を改正したドイツに続き、2022年は各国が追随する動きを見せそうだ。最終的にどういった形で実現するかは不透明だが、日本も2022年中にレベル4の走行を可能にする施策を導入する見込みだ。

米国では各州法に基づき自動運転の公道走行が規定されている。州によってばらつきが生じているため、連邦法で規定するための議論も継続されているようだ。中国も主要都市などが独自のテスト要件を定め、個別に走行ライセンスを発行している。このほか、フランスも2022年9月に公道における自動運転走行を解禁する見込みのようだ。

許可形式が大半を占めそうだが、いち早く社会実装を進めることで、国際競争上優位に立とうとする思惑も見え隠れする。実際、実証環境が整っている米カリフォルニア州などには世界の開発企業が集っている。いち早く法改正を行ったドイツでは、サービス実装を見越した開発企業の参入が相次いでいるようだ。

2022年中に法改正など一定のルールづくりがどこまで進むのか、要注目だ。

自家用レベル4計画が明らかに!2022年1月の自動運転ラボ10大ニュース

【参考】詳しくは「自動運転、2022年は世界で「レベル4」の法整備加速」を参照。

■自動運転で未知の領域!「市販車×レベル4」にMobileyeが乗り出す(2022年1月8日付)

Mobileyeが中国の浙江吉利控股集団(Geely)と共同で、コンシューマー向けのレベル4車両の開発と生産に関する計画を発表した。実現すれば、世界初の自家用向けレベル車両となる可能性が高い。

計画では、GeelyのプレミアムEV(電気自動車)ブランド「Zeekr」の車両に自動運転システム「Mobileye Drive」を搭載し、レベル4を実現する。2024年にも中国で発売するとしている。

移動サービスなどにおけるレベル4は、走行エリアを限定する形でODD(運行設計領域)を区切り、エリア内に特化する形で無人運転を実現するシステムが大半を占める。一方、自家用車におけるレベル4は手動運転との両立が前提となるため、どういった条件でODDを設定するのか、要注目だ。

▼Mobileye公式サイト https://www.mobileye.com/

【参考】詳しくは「自動運転で未知の領域!「市販車×レベル4」にMobileyeが乗り出す」を参照。

■ボルボ・カーズ、条件付自動運転機能「ライドパイロット」発表(2022年1月13日付)

ボルボ・カーズが自動運転システム「Ride Pilot(ライドパイロット)」を発表した。レベル3システムに相当し、2022年中に北米市場で市場化していく見込みだ。

公式発表では自動運転レベルに触れていないが、自家用車向けであることや高速道路を対象としていること、渋滞時の運転に伴う精神的負担軽減などに触れていることから、レベル3に相当するものと思われる。新型EVに搭載し、まずは米カリフォルニア州で市場化する。その後、他の市場に拡大していく方針だ。

同社はレベル3を飛ばしレベル4開発に注力していたはずだが、経営方針を転換したようだ。自家用車における先端技術開発分野で後れをとらないよう、またレベル3の社会実装を通して経験値を積み重ね、レベル4に繋げていく狙いなどもありそうだ。

一部の自動車メーカーの間では、レベル3開発に消極的な節が見受けられたが、ここにきて潮目が変わってきたようだ。近い将来、有力自動車メーカー各社のレベル3が勢ぞろいする日が来るのかもしれない。

【参考】詳しくは「ボルボ・カーズ、条件付自動運転機能「ライドパイロット」発表」を参照。

■トヨタと自動運転、レベル4車両の事故でも「人」が送検される理由(2022年1月14日付)

東京2020パラリンピックの選手村で走行していた「e-Palette」による人身事故に関連し、自動運転車の事故責任について解説していた記事だ。

e-Paletteは事故当時、実質レベル2で運行していたため警視庁は車内オペレーターの責任を追及する方針のようだが、ではレベル3以降の自動運転において、自動運転システムに起因する事故や交通違反が発生した場合、誰が責任を取るのか――といった内容だ。

「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」の考えでは、自動車損害賠償保障法上は従来の運行供用者責任を維持し、その上で自動車メーカーなどに対する求償権を行使する仕組みを検討していくことが適当としている。つまり、自賠法上は所有者や運行事業者などがまず責任を負うとする論法だ。

では、自動運転車が速度超過や信号無視などを行った場合はどうか。免許の点数付加や反則金の納付、行政処分なども所有者らが受けるべきか?――というと、疑問が残る。本質的には、従来の運転者に代わって運転操作を行う自動運転システムが責任を負うべきであり、それは開発サイドの責任になるのではないか――と考えるのが自然ではないのか。

自動運転の実用化に向けては、こうした論点を1つずつ明確に解決していかなければならない。レベル4実現に向けた取り組みが加速する中、こうした議論にどのような結論が導き出されるのか、要注目だ。

【参考】詳しくは「トヨタと自動運転、レベル4車両の事故でも「人」が送検される理由」を参照。

■自動配送ロボに「歩行者用エアバッグ」!米Nuroの発想力(2022年1月17日付)

自動配送ロボットの開発を手掛けるNuroは、R2に次ぐ第3世代のロボットを発表した。2022年後半にも生産開始するという。

現在は試作段階で、BYD North Americaとの提携のもと量産化に向けた取り組みを進めているようだ。外部にエアバッグが膨らみ歩行者を保護する歩行者用エアバッグを備えている点もポイントだ。ボルボ・カーズやスバルなどが実用化しているが、ロボットが採用するのは非常に珍しい。

同社のモビリティは歩道ではなく車道を走行するタイプで、実質的にはロボットというより車両に相当する。乗員が存在しない仕様のため、安全性能を車外に全振りすることができるのかもしれない。

自動運転車であっても、事故を100%防ぐことはできない。こうした外部向けの安全機能を採用する動きは今後広がっていく可能性が高そうだ。

▼Nuro公式サイト https://www.nuro.ai/

【参考】詳しくは「自動配送ロボに「歩行者用エアバッグ」!米Nuroの発想力」を参照。

■スマホ大手OPPO、自動運転EV製造に本格的に動き出す(2022年1月20日付)

中国の大手通信機器メーカーOPPOがEV開発に乗り出したようだ。記事によると、同社は中国EVメーカーLi Autoとのパートナーシップのもと、2021年1月に自動運転技術に関する特許出願内容を公表するなど以前から動きを見せており、事業に向けた取り組みに本格着手したことが報じられている。

自動運転EVをめぐっては、Appleや中国のXiaomi、Huaweiなど、名だたるスマートフォンメーカーが続々と参入を表明している。韓国サムスンは半導体やバッテリーの分野などで大きく関わり、ソニーは2022年春にも事業会社「ソニーモビリティ」を立ち上げ、EVの市場投入について本格的に検討していく構えだ。

相次ぐ新規参入の背景には、EV化による製造・生産工程の変化や機能・サービスの在り方など、CASEの波によってモビリティを取り巻く環境が大きく変わり始めたことが挙げられそうだ。事実、EV開発ではスタートアップの参入が熱を帯びており、独自の技術開発力や顧客を持つスマホメーカーもこの流れに続いていくものと思われる。

【参考】詳しくは「スマホ大手OPPO、自動運転EV製造に本格的に動き出す」を参照。

■運転者なしの自動運転車、岸田首相「ルールを新たに定める」(2022年1月21日付)

通常国会召集に伴う施政方針演説で、岸田文雄首相が改めて自動運転に言及した。デジタル活用によって地方活性化を図るデジタル田園都市国家構想の中で、自動運転などの実現に向けたインフラ整備や新しいルールの策定を目指す方針のようだ。

自動運転、とりわけレベル4の実現に向けては、無人運転に対応する法改正など、新たなルール作りが必須となる。また、全国どこでも導入できるよう、インフラ協調システムなどに関わる規格化や整備なども求められる。

コロナ禍という大変な時期での首相就任となったが、安倍内閣から続く自動運転関連政策をしっかりと引き継ぎ、加速させるリーダーシップに期待したい。

なお、演説では運転者なしの自動運転車や低速・小型の自動配送ロボットが公道を走る場合のルールなどを定め、新サービス展開の道を開くとしている。

【参考】詳しくは「運転者なしの自動運転車、岸田首相「ルールを新たに定める」」を参照。

■【まとめ】まずは国会議論に注目

国内外とも、自動運転の実用化・ビジネス化が大きく加速していくような話題が飛び交ったようだ。特に国内では、国会でどのような議論がなされるのか要注目だ。その議論の方向性が今後のレベル4や自動配送ロボットの事業化を左右するといっても過言ではない。

政府の動向とともに、2022年内に各方面の取り組みがどこまで進んでいくのか、期待とともにしっかりと注目していきたい。